はじめに

視神経は、視覚を脳の中枢に伝える最初の通路にあたります。この通路(視路)に障害を起こす病気が視神経の病気です。視路に障害があると視覚は中枢に伝わらず、目はよく見えないことになります。視神経疾患の症状には、視力の低下や視野の異常があり、時には視力の回復しないものもあります。ここでは、多くの視神経疾患の中から比較的多く見られる疾患について紹介したいと思います。

主な視神経の病気

1.視神経炎(視神経乳頭炎 ・球後視神経炎)

視神経に炎症が起こる病気で、視神経乳頭に炎症が起こったものを乳頭炎といい、その奥から脳までの視神経に炎症が起こったものを球後視神経炎といいます。片方の目に起こることが多く、視力が急に低下します。多くの場合、頭痛や眼痛を伴い、発症後2〜3日で失明に近い状態となることもあります。

* 原因

原因は様々で、不明のことが多いのですが、眼窩、副鼻腔の炎症の他、たばこ、メチルアルコール、鉛などの中毒で起こることもあります。また、多発硬化症という全身病の前兆や一部であったりすることがあります。その他、急激に視力が悪くなったのに、何の所見も認められない場合に球後視神経炎と診断される場合がありますが、球後視神経炎以外の病気が含まれている可能性があり、注意が必要です。 主なものとしては、ヒステリーなどの精神的なものが原因の場合。視神経を養っている血管が破れたり、つまったりした場合。視神経のどこかに腫瘍ができた場合などがあります。

* 治療と予後

原因の明らかなものは、原因となっている病気の治療を行い、副腎皮質ホルモン剤、ビタミンB1・B12、血行促進剤などを使用します。予後は良好で、視力が完全に回復する場合もありますが、視神経萎縮となって、視力の回復しない場合もあります。

2.うっ血乳頭

うっ血乳頭は。脳腫瘍などで脳圧が上がったために視神経乳頭が赤く腫れた状態をいいます。脳腫瘍の診断の重要な所見の一つですが、脳腫瘍があれば必ずうっ血乳頭が出るということはありません。通常両方の目に同じような状態がみられますが、初めのうちは視力低下はありません。

* 治療

脳圧が正常化してから、乳頭の浮腫がなくなるまでに、6〜8週かかるといわれています。うっ血乳頭では、視力が低下し始めてから脳腫瘍の手術をしたのでは、脳圧が正常になっても、視神経萎縮が進行して、失明する場合もあるので、早期に脳腫瘍の手術をする必要があります。

3.視神経萎縮

視神経繊維が消耗して萎縮し、視力が低下してくる病気で、視力は正常には戻りません。

* 原因

他の視神経の病気によるもの、栄養障害、薬物障害、緑内障、網膜炎、外傷などが原因となります。原因となるこれらの病気の治療を行って、視神経の萎縮の進行を防ぐわけですが、効果があまり期待できないのが実情です。この他、視神経が萎縮する病気には遺伝性のものがあり、レーベル病の他4種類ほどあります。一般に優性遺伝のものは0.1〜0.5の視力が残るのに対して、劣性遺伝のものは0.1以下の視力になるといわれています。遺伝が関係しているため、現在では治療法がありません。

4.虚血性視神経症

片方の目の視力が急に悪くなって、そのまま視力が回復しなくなる病気です。一部の血管が詰まらずに残った場合には視力は一部残りますが、大抵の場合、突然全ての血管が詰まって、ほとんど何も見えなくなり、そのまま視力が回復しません。2〜3日もしくは数年してから、もう一方の健康な目にも同様の症状が起こることがあります。50〜60歳代の人に多く見られます。

* 原因

視神経の先端を養っている血管が詰まるために起こります。動脈硬化症、高血圧症、糖尿病などの全身的な慢性の病気を持つ人に多く見られます。

* 治療と予後

側頭動脈炎や動脈硬化が原因のことが多いので、片眼に発症した場合には、他眼の予防のために治療を行います。副腎皮質ホルモン剤、眼圧下降剤、血管拡張剤、ビタミン剤などの薬剤が用いられますが、予後は不良で、視力は完全には回復しません。

 
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