ボトックス(BTX)療法とは |
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ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌が作り出すボツリヌストキシンを注射して、緊張している筋肉を麻痺させ、筋肉の緊張によって起こる眼瞼けいれんや片側顔面けいれんの症状を改善する治療方法です。ボツリヌス菌は食中毒の原因として知られているため、不安に思われるかも知れませんが、規定の講習実技セミナーを受講した医師が正しく使えば、決して危険な薬ではありません。 このボツリヌス療法は、欧米など海外では広く行われており、すでに世界で数百万人の方がボトックス療法をうけて有効性も確認されています。現在日本では眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、痙性斜頸のみに対して承認されている治療方法です。 |
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ボトックスの使用方法 |
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ボツリヌス療法は、緊張している筋肉に希釈したA型ボツリヌストキシンを直接注射するという方法で行われます。入院する必要はありません。当日は入浴や激しい運動はできませんが、翌日以降は、これまでと同じように過ごすことができます。ただ、この薬は病院では保管できず、規定の講習実技セミナーを受講した医師が必要な分量を報告した上で、必要な分だけが病医院に届けられるという厳しい手続きで使用される薬なので、いつでもすぐに治療できるわけではありません。 | |
効 果 |
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この治療の効果は、治療当日にはほとんど効果は現れませんが、2、3日から2週間程度で徐々に効果が現れ安定します。通常は3~4ヶ月しますが、その後、時間の経過と共に徐々に効果が消失します。安定した治療効果を維持するために、効果がなくなったら、再度治療を行います。効果の持続性については、個人差がありますので、定期的な受診が必要になります。 | |
副作用 |
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・ まぶたが閉じにくくなる ・ まぶたが開きにくくなる ・ 顔面麻痺 ・ 頭痛 ・ 物が飲み込みにくくなる ・ 倦怠感 ※ これらの副作用の多くは、薬の作用が予想以上に強く表れた結果と考えられるもので、薬の効果が弱まるとともに回復しています。 このような副作用の他にも、副作用が現れる可能性がありますので、具合が悪くなった場合や、少しでも不調な事が出てきた場合には、医師に相談して下さい。 |
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●当院のボトックス外来● |
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当院では、副院長の吉野がボトックス療法を担当しております。 診察につきましては、予約は行っておりませんので、外来担当日にご来院ください。 診察の後、治療内容、薬の使用量を決定し、注射予定日を予約し、数日から2週間後、医療機関に薬が届けられてはじめて、治療が受けられます。 なお、この薬は使用する前の準備が必要な上、医療機関に長時間保存することもできませんので、予約した治療日時は、必ず守るようにしてください。 |
かねてより当院では先進医療施設として、光干渉断層計(OCT)を用いた眼底3次元画像解析による眼底検査を行って参りましたが、平成20年4月より、診療報酬点数に収載されましたので、患者様の費用負担が大きく減ることになりました。 眼底3次元画像解析では、これまでの眼底検査では行えなかった、眼底の立体的、断面的情報を迅速かつ低侵襲で数値的解析することができ、得られた情報から病態のより深い理解や疾病の診断精度の向上が得られます。 治療の適応・効果判定・経過観察に非常に有用で、実際の測定では、患者様にレンズを覗き込んでもらい、点滅する光の点を数分見てもらうだけで検査は終了します。もちろん、痛みや眩しさなどの苦痛は一切ありません。 |
適応疾患:加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、黄斑円孔、黄斑上膜、緑内障 |