中には先天的な病気が隠れている場合もあり、早めに気づいて、治療することが大切です。
結膜炎
結膜炎は、いわゆる白目が炎症を起こすことをいいます。原因にはウイルス、細菌、アレルギーなどがあり、原因によって症状も少しずつ違い、治療法も異なります。アレルギー性結膜炎は目のかゆみと涙が主な症状で、目やには出ないのが普通です。赤ちゃんの時期にはほとんど見られず、3~4歳以降に発症するのが一般的です。新生児に比較的多く見られるのは細菌性の結膜炎で、黄色っぽい目やにがたくさん出ますが、軽くすむことが多いようです。 |
先天性鼻涙管閉塞
赤ちゃんによっては生まれてからも鼻涙管から鼻腔に通じる部分に膜が残っていることがあり、涙が鼻涙管を通って鼻に抜け出ることができずに、目にたまったり、外にこぼれたりします。これを先天性鼻涙管閉塞といい、眼脂を伴うことも多くなります。生後しばらくしてから、この膜が消失することも多いので、生後6ヶ月位までは点眼治療で様子を見ることがあります。 |
新生児涙嚢炎
生後間もないころから「どうも目やにが多い」「ふいてもふいても目やにがたまる」といったことがよくありますが、涙嚢にたまった涙には細菌が繁殖しやすく、目やにがたくさん出ます。これを新生児涙嚢炎といいます。 |
さかさまつ毛
まつ毛が内側に入り込んで、黒目や白目に触れるようになった状態をいいます。もともと赤ちゃんのまぶたは皮膚が余っており、また筋肉も未発達なため、半数以上の赤ちゃんが一時的になります。成長するにつれ皮膚が適度に緊張するようになり、自然に治ることがほとんどです。 |
斜 視
正面を見たとき、片側の目の黒目部分が真っすぐ前を見ず、内側や外側にずれているのを斜視といいます。斜視のために片方の目の位置がずれている場合は、ずれている方の視力は発達せずに弱視になることもありますし、逆に片方だけ極端に視力が悪いと、その目が使われないために斜視になることもあるので、専門医に診てもらう必要があります。 |
偽内斜視
赤ちゃんは目と目の間の皮膚が広く、黒目の内側の白目が見えにくかったりするため、なんとなく斜視に見えることがあります。これが偽内斜視と呼ばれるもので、成長に従ってこの不つり合いがとれて気にならなくなりますし、目の機能には何の影響もありません。 |
内斜視
黒目が内側によっているものを内斜視といいます。内斜視には先天的な要因によるものと、遠視が強いために目が内側に寄ってしまう調節性内斜視の2種類があります。後者は、遠視を眼鏡で矯正することで斜視も矯正できますが、生まれつきのものや、眼鏡をかけても位置が真っ直ぐにならない場合は手術で治します。 |
外斜視
黒目が外側に向いている状態を外斜視といいます。ふだんは目の位置が真っ直ぐなのに、遠くを見るときやぼんやりしているときに片目が外側にずれる場合が多く、これを間欠性外斜視といいます。 その他斜視には、網膜芽細胞腫や視神経萎縮など、重大な病気が隠れている場合があります。斜視かどうか不安なときや、少しでもおかしいと感じたら眼科又は小児専門眼科などの専門医を受診すると良いでしょう。 |